こだわりと特徴

漆について

漆 〜史上最強の塗料〜

漆の歴史

福井県で1万2千年前の漆の木が出土しており、北海道の地層からは9千年前の漆製品の副葬品が発見されています。

漆の特性

漆はウルシオール、ラッカーゼ(酵素)、ステラシアニン、水分、ゴム質などで出来ています。
漆は温度20度、湿度80%前後でラッカーゼが活発に働き硬化し始めます。
一旦硬化するとこれを溶かす溶剤はこの世に存在しません。
史上最強の塗料と言われる漆の唯一の弱点は紫外線です。紫外線によりタンパク質が分解されていきます。
現在耐候性の優れた漆も開発されていますが、未だ完全ではないようです。

漆の特性

漆の製造

現在流通している漆の97%以上が中国からの輸入です。
国産漆の採取は岩手県74%、茨城県15%、栃木県8%の順で、京都では夜久野町で「丹波漆」が採取されています。
漆は各産地の「漆掻き」の職人がその年に採取するウルシの木を決めますが、一本のウルシの木から採取出来る漆は僅か200g程度です。

漆掻きの職人さん
漆掻きの職人さん
漆掻きの道具
漆掻きの道具

漆の木から採取された漆を「荒味」と言い、「荒味」を漉してゴミを取り除いたのが「生漆」です。「生漆」を「なやし」「くろめ」という工程を行うことで、精製漆となります。 「なやし」「くろめ」の前に鉄分などを加えて黒く染め精製した物が「黒蝋色漆」となります。

漆を塗る

木地の木目などを生かした「摺り漆」「木地溜」と、木地に下地を施してから黒色や朱色などの漆を塗る「立て塗り」「蝋色塗り」に大別出来ます。

1.「摺り漆」「木地溜」

「摺り漆」「木地溜」は、生漆を塗っては拭き取るという工程を繰り返すことで、木地の木目を生かし良い風合いになります。

2.「立て塗り」「蝋色塗り」

「立て塗り」「蝋色塗り」には下地が必要になります。仏壇の下地の方法には以下の3種類が多いようです。

■ 本堅地
地の粉と砥の粉と水を練り合わせ生漆と混ぜた下地を「本堅地」と言い、地付けと研ぎを繰り返すことにより非常に堅牢な下地となります。
■ 半田地
砥の粉に膠を混ぜたものが「半田地」です。
■ サーフェーサー
現在仏壇の下地の主流は「サーフェーサー」と言う科学塗料です。

「立て塗り」は下地の上に「下塗り(乾燥、研ぎ)」「中塗り(乾燥、研ぎ)」「上塗り」の工程で仕上げる方法です。上塗りが仕上がりになりますので、ホコリや刷毛目が付かないように注意をはらいます。 「蝋色塗り」は「立て塗り」後、「研ぎ」「蝋色漆摺り」「乾燥」「油磨き」「蝋色粉磨き」を繰り返し、ホコリや刷毛目を取り、艶を上げる最上級の塗りです。

漆塗りの道具

漆塗りに必要な主な道具をご紹介します。

篦(へら)

下地を平に整えたり、漆を仏具に運ぶ時に使います。檜の柾目を剝いだ物を使います。

刷毛(はけ)

篦で運んだ漆を均等にムラ無く刷毛を通します。今までは日本人の毛髪を使っていましたが、現在は中国から輸入された毛髪に頼っています。

カラスの羽

塗面に付いたホコリなどを取り除くのに用います。職人さんによっては鳩のはねを使う方もいるそうです。

駿河炭

塗面を平らに据えるのに使います。駿河炭は現在福井県でのみ生産されています。

蝋色粉

蝋色工程で菜種油と混ぜて使います。昔は角粉と言い鹿の角を精製した粉を使用していたそうですが、現在は入手困難な為蝋色粉と言う研磨剤を使用しています。

篦
刷毛
刷毛
駿河炭
駿河炭

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